指導医からのメッセージ

指導医 循環器内科 常森 将史

指導医 循環器内科

常森 将史

三重大学卒/2006年入職

メッセージ

将来、離島診療所を独力で担えるような
総合力を身につけた医師養成ができる
プログラムと環境を準備しています。

後期研修はどのようなものでしたか?

入職時は循環器内科どころか内科を選ぶつもりもなく入職し、いつの間にか離島診療所で勤務することが目標になり、内科後期研修で内科のいくつかの科をローテートし、ちょうど鹿児島生協病院総合内科が立ち上がった時期も重なり、総合内科スタッフとして勤務しました。
その後目標の離島診療所での副所長、所長勤務を果たしました。離島診療所では広く内科疾患に対応する必要がありました。ローテート研修と総合内科での経験が非常に活きた充実した日々でしたが、半年も経つと「広さはあるけど浅い」と思うようになりました。「広くはありたい」と思う一方で、全てでなくとも何らかの部分には「深くありたい」と思うようになり、離島診療所勤務終了後の進路を決めました。

どんな理由で専攻科を決めたのですか?

決めるに当たり、いろいろな方の後押しがありました。循環器の先輩方、離島診療所で一緒に勤務した先生、看護師さん、検査技師さん、果てはカテーテル検査室(カテ室)に出入りする業者さんまで、いろいろな方々に導かれるように。でもやっぱり一番のきっかけは初期研修医の時の心筋梗塞から心肺停止となった40代の患者さんを受け持った経験でした。
心肺停止から救急室で蘇生し、カテ室に向かうストレッチャー上で再度心肺停止となり、患者さんに跨って胸骨圧迫(心臓マッサージ)をしつつ搬送し、カテーテル治療(経皮的冠動脈形成術(PCI))をしてもらって見事に独歩退院されました。今でも元気に通院中とのこと。目の前で心肺停止になった方を救うというのは本当に衝撃的です。
循環器内科になったあとも、心肺停止で運ばれてくる方、救急外来で処置中に心肺停止になった方、一般外来で話していたら心肺停止した方、ときどきそんな患者さんに遭遇します。そして自らの手でカテーテル治療をして、元気に歩いて元の生活に復帰される姿をみるのは感動です。進路選びはやや受け身的でしたが、循環器内科を選んだ自分を褒めたくなります。

循環器専門医として感じていることは?

当時、救急医療に傾倒していたのもあって循環器内科へと進みましたが、循環器内科は決して救急医療だけではありません。現在は心不全パンデミックの時代へ向けて、慢性心不全患者さんをいかに悪くさせないかを考える日々です。
そのための心臓リハビリテーション、医師だけでは対応しきれないことも多いため看護師、薬剤師、理学療法士、栄養士など多職種による心不全ケアチームの結成と協働、心不全終末期患者さんへの緩和ケア認定看護師を中心とした緩和ケア医療など救急医療の対極というか延長というか、そんな領域での仕事が大きくなっている今日この頃です。

内科専門研修プログラムの指導者として

循環器専門医として循環器内科で診療にあたっていますが、内科専門研修プログラムの指導医として、また初期研修の指導にも関わっています。専攻医の身でありながらも同じ診療の現場で働く一人の医師として尊重しながら、内科専門医としての力量をしっかりと身につけた専門医育成をすすめたいと思います。
また、鹿児島生協病院で取得できる専門医資格は「内科」、「総合診療」だけではありません。鹿児島生協病院や鹿児島民医連の事業所で働きながら、時には外部の医療機関で研修を行い、専門医を取得することが可能です。各診療科の専門医、指導医が相談に乗り、サポートする環境があります。