医学生のみなさんへ

初期研修プログラム

研修プログラム名
鹿児島生協病院「地域医療のプロ養成」プログラム

当院は2003年に鹿児島県で初の臨床研修病院となり、2003年から2017年3月までに合計51名の研修医が当院の臨床研修を修了しました。2017年度現在も10名の研修医を受け入れています。
「鹿児島生協病院初期臨床研修プログラム」病院群の管理型臨床研修病院であり、14の協力型臨床研修病院、24の研修協力施設からなります。

 

pdf平成29年度 初期研修プログラム1.32 MB

研修理念

私達の病院は「地理的な離島はあっても、人の生命に離島があってはならない」という合言葉のもと、これまで多くの医師の初期研修に関わり、それらの医師を離島診療所や各地域の関連病院に送り出してきました。
また、生活協同組合立という性格上、医療生協の組合員の医療・福祉・介護の要求に応えつつ日常診療に携わり、医療を受ける主体者である患者、家族、地域住民の方々の声を大切に、親切で良い医療を目指して医療活動を行ってきました。


このような背景のもと、この研修プログラムは、厚生労働省の臨床研修目標を達成し、真に地域に求められる医師を養成することを目的としています。
内科医を志向する医師は、離島診療所の医療活動を独力で担えるような力量を持つこと、内科以外の科を志向する医師は、各地域の一次医療機関(病院)でのプライマリ・ケア診療を担える力量を獲得することを目的とします。

基本的方針

当プログラムでは、地域のプライマリ・ヘルスケアを担うに足る医師としての基本的な能力を形作るものとして、最終的に以下の3つの点の獲得を目指します。

  • 主治医としての総合的診療能力の獲得
    1.患者を全人的に理解し信頼関係を築く
    2.総合性を重視した基本的な医学知識・技能の習得
  • 一人一人の患者の問題解決を指向する視点
  • 医療チームのリーダーとしての力量獲得
  • 医師の社会的役割を自覚する視点の獲得

以上の内容を視野に入れ、専門科にこだわらない基礎的かつ総合的な力量を獲得し、その後の各科専門の研修に入った場合にも、すべての症候や疾患、または患者を取り巻く諸問題に対して適切な対応ができることを目標とします。

研修施設

通常の研修 管理型病院の総合病院鹿児島生協病院
協力型病院の財団法人慈愛会谷山病院
財団法人慈愛会奄美病院、社会医療法人芳和会菊陽病院
国分生協病院
その他11の協力施設の研修病院群
精神科の研修 協力型病院である谷山病院
奄美病院
産婦人科の研修

協力型病院の健和会大手町病院、千鳥橋病院、沖縄協同病院

協力施設の医療法人愛育会 愛育病院
地域保健・医療の研修 協力施設である離島の病院、診療所、老健施設、及び特老施設などから選びます。

研修カリキュラムの概要、研修期間

カリキュラムの概要と研修期間

  • 最初の2ヶ月は、医師導入期研修を行います。
  • 内科研修は内科フロア1とフロア2の2つに分け、それぞれのフロアーに特徴的な疾患を中心に研修をすすめます。
  • 内科フロア研修における各フロアーのおよその管轄分野は次の通りです。
    4階フロア 呼吸器、消化器、アレルギー
    3階フロア 循環器、代謝、腎臓、神経内科
  • 地域保健・医療研修は、市中の特別養護老人ホーム、診療所、離島の病院、診療所、老健施設などから選んで行います。2ヶ月間の研修内容については各研修医と相談で決めます。
  • 選択研修は、必須科である内科、外科、小児科、麻酔科、産婦人科、地域保健・医療の追加研修として、または整形外科、眼科、泌尿器科の研修が選択できます。

ローテートの基本的考え方

基本となるスケジュール

456789101112123
1年目 内科 救急部門 産科 精神科
456789101112123
2年目 地域医療 選択 選択 選択 選択 選択 選択 選択 選択 選択 選択

選択期間を利用したスーパーローテート研修の推奨例

456789101112123
1年目 内科 救急部門 外科
456789101112123
2年目 外科 地域医療 産科 精神科 小児科 整形 内科

研修の特徴

プライマリ・ケアの推進
  • 当院は新興住宅地域の中にあり、その周辺には農村地帯が広がっている。近隣に当院以外に大きな病院がなく、二次医療だけでなく、一次救急医療も積極的に担ってきている。また、生活協同組合立の病院であるため、組合員からは圧倒的に通常疾患と救急への対応を求める声が多い。このため、できるだけ受診しやすい外来体制をとっている。午前8時30分から途中の休憩をはさみ、午後5時まで通常の診療を行い、その後は救急に備えて当直体制を整えている。
  • 午後7時以降、翌日午前8時30分までに受診する時間外の救急患者は1日平均47名以上である。小児科、外科、整形外科、内科の患者が多く、眼科、耳鼻咽喉科の救急患者も受診するなど疾患としては多彩である。日曜日や祝日の日直帯も同様である。当然のことであるが、救急車も積極的に受け入れている。
  • 当院では救急医療を重点診療領域、そして研修医の重点教育分野と考え対応している。初期研修の一環としてプライマリーケアに求められる疾患の病因・病態を学ぶと同時に必要な手技に関しても専門医やスタッフ医の指導のもとに、月4〜6回の当直勤務を通して、学識・技術を習得することができる。
地域医療、福祉関係機関との連携

地域の多数の診療所との連携は積極的に行っている。専門診療科や二次救急患者の受け入れ、CT、MRI等の検査受け入れ、当院から皮膚科、放射線科、精神科などの専門開業医への紹介は日常的に行っている。
また、近隣地域には特別養護老人ホーム3ヶ所、老人保健施設3ヶ所があり、それらの入所者から発生する急性増悪、重症患者の受け入れや当院の入院・外来患者の福祉施設への紹介など、さらにデイサービスや訪問看護のための主治医の診断書作成などは全医師に奨励している。 
地域の医療、福祉施設との連携、協力の現状を見、経験することは医療、福祉、介護の全体像とその中での医療、病院、そして医師の役割を考えるきっかけとなり、初期研修上非常に有意義である。

病院群における病院相互の診療上の機能の連携方法
  • 研修医は2年目に上記の従病院、協力施設で研修を行う。
  • 当院の研修医は入院・外来患者について上記の従病院・協力施設への紹介、コンサルタント依頼を強め、知識・技術の習得に努める・必要に応じて患者に同行し、上記病院・協力施設にて実地指導を受ける。
  • 当院の研修医は精神科については必要に応じて病院で定期的に開催される専門科のカンファレンスに参加し、研修する。
  • 上記病院・協力施設より講師を招き、医療講演会(医局講演会)、学習会(ケースカンファレンス)を定期的に開催する。
  • 当院と上記病院・協力施設との間で研修管理委員会を設置し、研修目標、研修状況、達成度などの評価指導を行う。年に数回定期的に開催する。

その他

地域医療との関わり
  • 鹿児島市南部の旧谷山市(人口約16万人、6万世帯)、周辺部(日置市、南九州市、南さつま市)で唯一の総合病院として、救急重症患者の受け入れ、開業医、近隣医療機関との診療連携を行っている。年間の紹介患者は6,619人(平成25年度)であり、また救急車受け入れ件数は2,432件(同)で、鹿児島市内の年間救急出動件数19,161件の1割以上、市南部の件数の約4分の1を占めている。
  • 各科の責任者は医師会に加入し、近隣医療機関との連携に努めている。月1回のCPCは375回(H26年8月現在)を数え、開業医の参加もある。また当院循環器医師は専門分野研修を他の医療機関の協力で行っている。
  • HIV感染者の医療促進のため厚生労働省、鹿児島県が推進するネットワークに協力病院として参加している。
  • 鹿児島大学第一内科が主宰する心臓病の救急患者を受け入れる「CCUネットワーク」に参加している。
  • 各診療科とも鹿児島市内や県内の医療機関でつくる各種の研究会に参加している。
  • 産業医活動に近年力を注いでおり、現在17事業所との契約を行なっている。また地域保健分野では、健診活動も活発であり、事業所健診、政府管掌保険指定の健診等、年間8,600件以上を受け持っている。
  • 近隣の小中学校や保育園などの嘱託医、地域の介護老人福祉施設の嘱託医などを担当しており、市保健センターなどが主催する住民講座での講師を務めている。
  • 新GCPに基づく「治験審査委員会」を発足させ、外部の第三者(鹿児島大学教育学部教授)に参加してもらい、治験業務に取り組んでいる。研修医にとって薬剤の評価方法、インフォームドコンセント、患者の自己決定権などの理解に役立っている。
  • 倫理委員会を平成14年度に正式に発足し、地域住民や鹿児島大学医学部名誉教授、同法文学部助教授などの第三者も委員に招き、治験審査委員会同様、研修の場としても意義のある活動となっている。
  • 在宅で6例の筋萎縮性側策硬化症患者の人工呼吸器管理を行っており、医学生を中心としたHMVボランティアサークルの活動も行われており、難病の在宅医療に貢献している。
  • 総合病院鹿児島生協病院は鹿児島医療生活協同組合の3病院・7無床診療所(うち歯科1)、4訪問看護ステーション、4ヘルパーステーション、1訪問入浴ステーション、7デイケア、1デイサービスセンターの中心的な病院として位置付けられている。
  • 平成14年10月に、総合病院鹿児島生協病院の近隣に外来診療所「谷山生協クリニック」を開設し、外来機能を一部分化した。これにより、診療所での慢性疾患医療の充実が一層進展し、研修医にとっても生活習慣病などへのアプローチの仕方がより明確になった。また、電子カルテ・オーダリングシステムを導入している。
鹿児島大学医学部(附属病院)との連携について
  • 県内では唯一の大学医学部であり、医師の研修・派遣や研修生受け入れ、手術支援、定期的なカンファレンス開催などで協力をいただいている。
  • それぞれの科、教室と密接に連絡をとりつつ医療の質の向上をはかるとともに、臨床病院の特色を発揮できるように常に連携に務めている。(第一内科、第二内科、第三内科、放射線部、耳鼻咽喉科、小児科、病理学第二教室、第一外科、第二外科など)
  • 病理は、鹿児島大学の名誉教授を顧問に、月1回のCPCを定期開催している。
  • これまでも医学生の自主的な研修を夏期、冬期、春期に受け入れており、またOSCE対策講座などの企画も好評である。
  • 平成14年度からは、鹿児島大学医学部5年生の小児科ポリクリ実習を受け入れている。
  • 平成15年度から鹿児島大学医学部6年生の臨床学外実習を協力医療機関として受け入れている。平成16年度は県外大学からも受け入れを行っている。(内科、外科、整形外科、小児科、麻酔科など )
  • 平成25年度からは、鹿児島大学医学部3.4年生のシャドウイング(地域医療機関実習)を協力医療機関として受け入れている。
  • 平成25年度より鹿児島大学病院よりたすき掛けで初期研修医の受入れを行っている。
 

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